2004年9月11日

【Abs/Libros】 歴史をつむぐ人々

 お茶の水書房から、出来たてほやほやの『ラディカル・オーラル・ヒストリー』が送られてきた。5月に亡くなった保苅実くんの遺作となってしまった本だ。


保苅 実(2004)『ラディカル・オーラル・ヒストリー ── オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』御茶の水書房 2,200円


この本の出版準備の最後の最後になって、保苅くんの作りかけの図版の仕上げをお手伝いすることになった。でも、編集者とのメール・電話・ファックスでのやりとりでは、詰めの甘いところもあって、結局、いくつかミスが残ってしまった。


図版8で「バルンガ(バミラ)」とあるのは、正しくは「バルンガ(バミリ)」です。現在のコミュニティの名前はBamilyi(旧名Barunga)。土地権運動で有名なバルンガ宣言の村だ。保苅くんがそのことにふれて書いているので、図版には「旧地名(現在の地名)」という形で載せることになった。


 図版9の Hooker Creek自治区は、現在は Lajamanu に正式に名前が変わっている。


 保苅くんらしい批判精神とポジティブな姿勢とが、ちょっと照れながらも同居している感じの作品だと思う。皆さんもぜひ手にとって見てほしい。



「保苅実記念奨学金」については

こちら↓

http://www.hokariminoru.org/j/scholarship-j/scholarship2_biography-j.html


保苅くんのメモリアル・サイトは

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http://www.hokariminoru.org