2009年10月15日

【Env】 もうひとつのノーベル賞

先住民族ニュース(73)

ルネ・ンゴンゴ(Rene Ngongo)氏に2009年度ライト・ライブリフッド賞。
コンゴ共和国の熱帯林保護活動の功績を讃えて。
カナダの遺伝学者・環境保護活動家デイヴィッド・スズキ氏も同時受賞。
http://www.rightlivelihood.org/
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20091015pa_html

The Right Livelihood Award は、人類が直面する戦争・貧困・環境保護・人権問題などの分野ですぐれた研究や活動をした個人や団体に贈られ、「もうひとつのノーベル賞」と呼ばれている。

日本ではこれまで、生活クラブ生協(1989年)、科学者で脱原発を訴えた故高木仁三郎氏ら(1997年)が受賞している。

先住民族関連では、オゴニ民族生存運動(MOSOP)のリーダーで、ナイジェリア軍事政権によって処刑されたケン・サロ-ウィワも処刑の前年(1994年)に同賞を受けている。

ケニアのワンガリ・マータイさんも2004年度のノーベル平和賞受賞にさきだって1984年にライトライブリフッド賞を受賞している。

★こちらも↓ご覧あれ(2008年度受賞者)
http://democracynow.jp/submov/20081224-234



2009年10月14日

【Nuke/Libros】 島人はなぜたたかうのか

 中川修治さん(「太陽光・風力発電トラスト」運営委員)の現地報告(09.10.14配信 [NoNuke:12597] 上関原発・田名埠頭)より ──

[ 祝島のおばちゃんが現地視察に訪れた国会議員に]

=====引用はじめ=====
「祝島の家はみんな東向きに立っちょる。そして、海に向かってお日様が上がるのに毎日、手を合わせちょる。それが東側の対岸に原発が出来たら原発に手を合わせることになてしまうと。そがなことはぜったいにしとうない」と、また、ほかのおばちゃんは「子供を4人育てた。一人には帰ってきて欲しいと行っているが、原発が出来たら返って来いとは言えない」と訴えていました。豊饒の海、自然の豊かさに支えられて生きてきたおばちゃんたちは子供たちが帰ってこられる故郷を守ろうとしています。
=====引用おわり=====


以下、いたちまるのお薦め2冊







2009年10月10日

【Abs】 ウルル観光に変化の兆しは?

先住民族ニュース(72)

 オーストラリアのウルル(旧エアーズロック)で、新しい国立公園運営計画(案)が7月に公開され、ウルルへの「登攀禁止」案が議論を呼んでいます。地元先住民族(アナング)は、ウルルに登らないよう観光客にもう何十年以上にもわたって呼びかけ続けていますが、大半の観光客はその呼びかけを無視しています。(ふもとには、登らないでという日本語の看板も立っていますが、多くの日本人観光客が登攀に挑み、滑落死したり、ヘリコプターで救助されたり、ごみを捨てたり、頂上でうんちをしたりしてます。ひどいもんです。日本人だけではありませんけど。)

 登攀への代替案のひとつとして、アナングの提案により、新しい展望台(プラスそこからのアボリジニー・ガイドによるツアー)がオープンし、先日、おひろめの儀式があったそうです。

 その儀式の様子のスライドショーとアナング女性たちの歌声が、現在、ABCラジオの下記サイトで公開されています。連邦環境相ピーター・ギャレッツのインタビューも流れており、先住民族との共同管理についてのコメントが聞かれます。
http://www.abc.net.au/local/photos/2009/10/08/2708819.htm

新しい運営計画案は↓こちらからダウンロードできます。
http://www.environment.gov.au/parks/publications/uluru/draft-plan.html

2009年9月21日

【Nuke】 祝島のかあちゃん、とうちゃん、がんばれ=!

 祝島島民・びわ農家、山戸孝さん
2009年9月18日 RadioActiveによるインタビューの中で、次のように語る。

── 祝島の人たちってのは、ほんとに海のおかげで、これまで生きてこられたんよね。いうたら“親”みたいなもんよね、ある意味。でも中国電力にとっちゃねぇ、海なんて「赤の他人」なんよ。「お金でカタが済むんなら、それでええ」っちゅうような相手やけど、祝島の人らにとっちゃ、海ってのは、ほんと“家族”とかね、“親”とか、それに同じようなもんなんよ。(...中略...)中国電力の人は「海がなくても自分は生きていける」と思い込んでおると思うんよ。でも、祝島の人は、島っていう環境で生きていくためには「海がないと生きていけん」ていうのは、ほんとにもう、何十年と島のなかで生きてきたなかで分かっちょるんよ。それを中国電力のね、会社の人たちには分かって欲しいんよ。

2009年6月9日

【Indig】 ペルー・アマゾンでの先住民族虐殺に抗議の声を

先住民族ニュース(71)

緊急声明への賛同のお願いです。
(重複してご覧になる方、ごめんなさい。)

→ 個人賛同して下さる方は:
ko-jun@theia.ocn.ne.jp(先住民族の10年市民連絡会、小林純子さん)
あて、お名前・読み仮名(またはローマ字表記)・さしつかえなければ肩書きをお知らせください。

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ペルー北東部(アマゾン源流域)での多国籍企業による石油・天然ガス開発などに抵抗して道路封鎖をおこなっていた先住民族に対し、警察が襲撃を加え、多数の死傷者がでる事態になっています。

http://ipsnews.net/news.asp?idnews=47142
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8090548.stm
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200906072101590
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009060600131


(1)日本の市民からの緊急声明案
(2)事件の背景説明

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(1)は、「開発と権利のための行動センター」の青西靖夫さんが作成したもので、文面(スペイン語、日本語翻訳つき)は下記の通りです。
(スペイン語のアクセント記号などが文字化けしてしまっていますが、急ぎですので、このまま送ります。ごめんなさい。)
   
(緊急声明)

Dr. Alan Garc?a P?rez
Presidente de la Rep?blica del Per? 

 Expresamos nuestra profunda preocupaci?n por la violencia desatada
en el conflicto surgido en la regi?n amazona. E invocamos a todas las
partes en el conflicto a cesar toda violencia inmediatamente.

Y solicitamos al gobierno de Per? y autoridades correspondientes,
1) Detener inmediatamente la represi?n violenta a los pueblos ind?
genas,
2) Adaptar todas las medidas necesarias, de acuerdo con los principios
internaciones de derechos humanos, para proteger los derechos humanos
fundamentales de los activistas de pueblos ind?genas,
3) Respetar plenamente los derechos ind?genas establecidos en el
Convenio 169 de OIT y la Declaraci?n sobre derechos de los pueblos ind?
genas adoptado por la Asamblea General de las Naciones Unidas

Los ciudadanos japoneses, deseamos que la relaci?n entre Per? y Jap?
n se fundamente en el respeto de los derechos humanos.

Atentamente
Fecha(日付)
Firma (署名)

 アマゾン地域の紛争の中で暴力が解き放たれたことに深い憂慮の念を覚えま
す。そして紛争にあるすべての当事者に即座に暴力をやめることを懇願します。
 またペルー政府及び関係当局に対して次のことを要請します。
1) 先住民族に対する暴力的弾圧を即座に中止すること
2) 先住民族の活動家の基本的人権を擁護するために、国際的な基準に基づき
必要な措置をとること
3) ILO169号条約及び「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を尊重すること

日本の市民は、ペルーと日本の関係が人権の尊重に基づくものであることを
願うものです。

Atentamente
Fecha(日付)
Firma (署名)

----------------------------------------------
(2)『先住民族の10年News』の最新号(No.155、来週発行)に緊急で掲載する解説文です。

=====転載はじめ=====

■ペルー:アマゾン先住民族と警察隊の衝突で双方に死傷者多数

 6月5日早朝(現地時間)、ペルー北部アマゾン地域のバグア(Bagua)にて、道路封鎖を
続けていた約2500人の先住民族に約400人の警察隊(治安部隊)が投入されて衝突、少な
くとも先住民族側は30人、警察側は22人が死亡し、約150人の負傷者が出たとのことで
ある(8日現在)。与党APRAのマウリシオ・ムルデル氏は先住民族側を「テロリスト」と
指弾、一方、先住民族組織の連合体AIDESEPのリーダーであるアルベルト・ピサンゴ氏
は、仲間たちが「獣を殺すように」殺されたと告発している。
 2006年に就任したアラン・ガルシア大統領は、外国投資の伸張、自由貿易協定の推
進など、経済自由化路線を推し進め、鉱山・石油・ガス開発等の天然資源開発が激増
している。08年8月には、共同体の土地譲渡に関する法令に反対して、複数州におよぶ
先住民族による大規模な抗議運動があり、法令が撤廃されるという出来事があった。
 先住民族は、天然資源や土地などに関する複数の大統領令が先住民族の生活を脅か
すものであるとして、法律の廃止を求めている。今年に入ってからは、水資源法への
反対スト、新森林法への反対デモ、土地関連法への抗議行動などが続出していた。4月
に入り、政府は複数の法律の見直しや廃止を約束しながら履行せず、先住民族の権利
に対する改善がみられないとして、特にアマゾン先住民族の抵抗運動が広がっていた。
バグアでの道路封鎖はその一環で、約2カ月にわたりアワフン(Awajun)民族とワンピ
ス(Wambis)民族が抗議行動を展開していた。
(BBC NEWS、開発と権利のための行動センター、ほか)

=====転載おわり=====


内容や背景について、ご質問などありましたら、お寄せください。


とりいそぎ、ばたばたの連絡で失礼します。

2009年5月27日

【Abs/Movies】 Warwick won Camera d'Or 2009

先住民族ニュース(70)

ウォーリック・ソーントン監督の『サムソンとデリラ』(Samson and Delilah)がカンヌ映画祭でキャメラドール(新人監督部門第1位)を受賞 (^^)/★


http://www.abc.net.au/news/stories/2009/05/25/2579447.htm
http://www.abc.net.au/indigenous/stories/s2569499.htm
http://www.movieplus.jp/original/feature/cannes2009/kekka.html
http://www.samsonanddelilah.com.au/

 オーストラリア中央沙漠を舞台にしたワルビリ語の映画です。

 これまで短篇映画で腕をみがいてきたアボリジニーの監督の初めての長篇作品です。先月末、ABCの映画評番組『At the movies』で辛口ホストの Margaret と David がともに「五つ星」を出した(この番組ではとても珍しい!)ので注目していたところ、この快挙。

 小生未見ですが、少なくとも鳴り物入りの大作『オーストラリア』(ニコール・キッドマン)での politically correct なアボリジニーの描き方よりは、はるかにリアルで、ラジカルで、深く僕らの心を揺さぶり、humanly correct ではないかと思われますが、フェミニスト的には、ちょっと「?!」な部分もあるかも。通して見る機会をえたら、また報告しますね。

『サムソンとデリラ』の映像の一部はこちら↓でご覧になれます。
http://www.abc.net.au/atthemovies/txt/s2542612.htm

なお、日本の報道では監督のファーストネーム Warwick が「ワーウィック」と表記されることが多いですが、正しくはもちろん「ウォーリック」です(2つめの w は発音しない)。