2010年10月30日

【Env/Indig】生物多様性条約COP10 最終全体会の様子


昨夜(2010年10月29日)から本日未明におよんだ生物多様性条約COP10(名古屋会議)の最終全体会のライブ中継を見ながら、連続ツイートしました。
以下その採録です。

なお、細川のききとりは、英語・スペイン語については FLOOR 音声を、フランス語・アラブ語については英語の同時通訳チャンネル ENGLISH 音声を聞きながらツイートしました。

同時並行して、NACS-Jさんのツイート、CBD市民ネットさんのツイート、IIFB(生物多様性に関する国際先住民族フォーラム)さんのツイートも流れており、若干、内容にくいちがいがあります。今後検証しますが、お気づきのことがありましたら、ぜひご指摘ください。

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【10月29日金曜 23時すぎより】

#COP10 最後の全体会の生中継を固唾をのんで見守る。ABS議定書、戦略計画、資金メカニズムの3題議案が残る。EUはパッケージでの一括採決を要求。キューバ・ボリビア・エクアドルは、まず交渉が完了しているABS議定書からの採択を要求。議長はEUを説得できず。いったん議長団協議。

「3題議案」じゃなくて「3大議案」です。失礼! 議長は「合意確認」と「正式採択」という2段手続き論で議事を進めようとしているが、3議案のあいだのリンクを認めるかどうかという厄介な蛇をつついて出してしまったように思える。

#COP10 松本議長の玉虫色作戦に、キューバが反撥。スイスが、ABS議定書の合意を後にまわす提案。議長は明確に対応せず。

韓国が助け船を出し、まずABS議定書から合意確認する方向で議事動き出す。キューバとベネズエラが、採択を容認するものの内容に合意できない部分があることを公式に議事録に残すよう要請(ベネズエラは「自然を商品に変える」ことに原則反対の立場)。リベリアも同様の要請。議長、要請を受諾。

#COP10 ボリビアも議定書案の内容に不満であることを表明。資源と知識の守り手は先住民族であることを強調。大きな変革の時期にさしかかっているが、協調して未来に進むことも必要。採択を妨げないが、不満表明を公式に記録してほしいと要請。議長、受諾。

ウクライナが中欧・東欧諸国(CEE)を代表して、議定書内容と採択に支持表明。議長は、まず(議定書案への)「合意確認」を議場に求めたが、通訳がadopt(採択)と訳してしまったので一時混乱が生じる。玉虫色のつなわたりゆえ。
【★ここで議定書が採択されたと勘違いしてツイートした人が多かったようですが、この時点ではまだ採択されていません。】
【★このとき、同時通訳(日 → 英)の方が機転をきかせて「翻訳のミスです」と繰り返し言ってくれたので場は凌げたが、通訳は松本大臣の言い間違いをそのまま正確に訳したまで。通訳者の名誉のために記しておきます。】

#COP10 戦略計画(L44文書)の「不合意」部分の審議に移る。ノルウェーから修正文言の提案。保全数値目標は、陸(内陸水域ふくむ)17%、海域は10%が提案される。資金目標については「見直し条項」を導入。ブラジルはtarget16の達成期限を早めることを要請。

#COP10 次に、資源動員・財政改革(L46とL45文書)について、担当部会のメキシコ・ノルウェー共同議長より、論点と修生案の報告。豪州より、資源動員達成の評価基準について文言確定の提案。COP11への先送りに解釈されないよう留意点を述べる。EU同意せず。

#COP10 ナミビア、ブラジル、スイスがEUに同調し、議長はその線での合意を宣言。より意欲的な文案で確定。ボリビアが別の点での文言を提案。議事がやや混乱。ボリビア発言がハンマーダウンの後だったとしてL45採択を議長が宣告。

#COP10 議長はL46に進もうとするが、ボリビアは納得せず。議長は発言を記録に残すことでやや強引に議事進行。L46担当の共同議長メキシコから交渉経緯の説明続く。

#COP10 L46文書にはWG2で合意に至らなかったとして、メキシコは不採択を提案。キューバ、オーストラリアらが同意。議長は不採択を宣言。ふたたびボリビア発言。

#COP10 ボリビアはL45への追加提案が木槌の前であったと再び主張。議長は、提案内容を記録にとどめることで乗り切ろうとする。キューバはボリビア提案を支持し、エクアドルも共同提案者なので、3ヶ国に支持があると指摘。議長に善処を要請。松本議長、電池切れの様子。

#COP10 ブラジル、ウルグアイが、ボリビア提案の精神が生物多様性条約の方向性にかなったものであることを表明。松本議長は「記録にとどめる」で乗り切ろうとするも、立ち往生。やれやれ。

#COP10 松本議長、ボリビアにあらためて提案を述べるよう指示。財政計画について、締約国そのほかの全ての当事者が意見を述べる機会を来年6月までに設けるということ。議長は、ボリビア提案の文言をL45文書に含めることを宣言。

これで戦略計画と財政メカニズムの審議が終了したので、議長があらためてL43revすなわちABS議定書修生案の「正式採択」をはかり、異議無しで採択。会場大きな拍手。25時29分頃。そして戦略計画と財政メカニズムについても正式採択。三大議案が決着。

ついで、TKに関するL7文書、CEPAに関するL32文書を次々採択。8条j項に関する作業計画(L39)、そのほかいくつかの決定案を淡々と採決。ブラケの処理について事務局案を了承。

#COP10 さきほどのボリビア提案は、要するに、気候変動に関して開催したコチャバンバ会議のようなものを生物多様性に関しても開催すべきという考え方に立ったもんで、ラジカルな提案である。松本議長はどうもその意味を理解できなかったようです。

#COP10 次期(COP11)の開催国はインドであることが決定済みだが、開催都市については決定から外すことを確認。これはインドがちゃんとその旨、発言していたのに、議長がそれを無視して原稿棒読みしたことによって生じた混乱。

マラウィ、マレーシア、EU、ナミビアなどから、外交辞令の賛辞続く。作業部会(WG1とWG2)の報告書をそれぞれ採択。会議公式記録者(rapporteur)によるCOP10全体会の暫定議事録案を了承。後日、今日の分を追加して正式採択することを確認。議長、通訳団に謝辞。会場から拍手。

通訳さんに感謝するのはよろしいけれど、環境大臣、横のお役人の指示通りに台本棒読みするばかりでは、波に呑まれてしまうこと分かりましたか? お役人も指示を出すときはマイクを切れよなぁ、あああ恥ずかし。

各国からの外交賛辞さらに続く。ウクライナ(中欧代表)、マラウィ(アフリカ代表)、クック諸島(アジア太平洋代表)インドネシア津波被害に言及)、会場はすでに弛緩して、席をたつ代表団多し。議長は「お静かに」と制するが、あまり効果なし。

サウジアラビア(アラブ代表)、アルゼンチン(GRUAC代表)、スイスに続き、ILC代表としてIIFB(生物多様性に関する国際先住民族フォーラム)のJason Panさん(台湾原住民族)が声明読み上げ。内容はだいぶ前にツイート【】した通り。

#COP10 IIFBの声明の最後は、沖縄で軍事基地建設による生物多様性の破壊が進んでいることへの懸念表明。2時20分頃よみおわる。声明テキストは http://iifb.indigenousportal.com 参照。

ごめんなさい、まだアップされてないようですが、たぶん明日までには掲載されると思いまっす! @ngalyak [..]声明テキストは http://iifb.indigenousportal.com 参照[..]
【11月2日追記: アップされました → http://bit.ly/iifb1030

#COP10 ILC(IIFB)の後も、締約国の賛辞発言つづく。ベリーズ、インド、韓国、ニュージーランド(ABS交渉で女性ネゴシエーターの国際グループが形成され継続していくことを紹介)、ABS交渉の共同議長(カナダ Timothy Hodges、コロンビア Fernando Casas両氏)へ議長団と会場から拍手。

ネパール発言のあと、NGOユースが発言(皆さんよい約束をした、ぜひ実行を!)。さらに外交辞令の山と握手と抱擁、ジョグラフCBD事務局長の長広舌 ── 26時59分、#COP10 閉会。おやすみなさい。

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 ツイート記録、以上です。

 <COP10先住民族ニュース>のサイトには、タグを外し、語句を若干訂正し、国連文書へのリンクを張ったバージョンを載せておきましたので、必要でしたらご参照ください。

 IIFB声明の日本語訳は → こちら http://bit.ly/iiFB1030


【11月2日追記】 以上、ツイート中継した最終全体会の公式映像記録は http://bit.ly/cop10fin で視聴できます。IIFBの声明読み上げは、映像の184分45秒あたりから約4分間。


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