2010年2月23日

【Libros】 穀物をめぐる大きな矛盾

 PARCの同僚理事である佐久間智子さんの新著『穀物をめぐる大きな矛盾』(2010年2月刊)は、おおいにお薦め。
 肉食と穀物分配の歪んだ現実に加えて、バイオ燃料増産がもらたす農業への深刻な影響(それは健康への影響ともなって私たちにふりかかってくる)の Big Picture がよく分かる。

筑波書房(ブックレット「暮らしのなかの食と農」43)750円
★直販は↓こちらから
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-8119-0360-6.html

目次:
 1.穀物価格高騰の背景
   マネー投機のインパクト
   サブプライム・ローンと食料市場
   主食以外に使われる穀物
   飼料として消費される穀物
   輸送用燃料の原料とされる穀物
   トウモロコシ輸出大国である米国の変節
   輸入バイオ燃料の時代へ
   脅かされる食料生産基盤

 2.食肉とバイオ燃料が環境と健康に与える影響
   飼料生産の環境影響
   大規模・集中化が進む家畜産業
   不健康な家畜と不健康な現代人
   バイオ燃料のためのトウモロコシ生産拡大がもたらしたもの
   農地を広げてバイオ燃料をつくれば、温室効果ガスの排出が増える
   バイオ燃料では解決できない

 3.なぜ飢餓がなくならないのか
   下がらない食料価格
   なぜ貧しい国々食糧が行き渡らないのか
   債務問題がもたらした商品作物生産の拡大
   最貧国が主要食品を自給できなくなった訳
   米国とEUではなぜ農業に巨額の補助金が出るのか

 4.日本の食糧事情と、その背景
   最貧国から食糧を奪う日本
   先進国が支配する食料貿易
   米国の対日食料戦略
   農業基本法と農産物貿易自由化
   私たちの食生活に見る対米依存
   日本の食肉・油脂消費のフットプリント

 5.私たちの食生活を見直す
   近代農業のグローバル化
   中食・外食および加工食品の問題
   現代のフードシステムの裏側で
   私たちの分け前
   完全自給食メニューから分かること
   真に豊かで健康な食生活とは
   地域の農業を支える
   今の経済システムや価値観を離れる必要

★便乗して宣伝すると、PARC制作の映像教材『バイオ燃料』(DVD/ビデオ)もどうぞよろしく。
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/agrofuel.html



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